2025年「新課程」共通テスト数学Aについて
問題構成
ポイントは、大問が全て必須だということです!
これまでは、『場合の数と確率』『図形の性質』『整数の性質』の中から2つを選択しました。
これからは、『整数の性質』が消え、『場合の数と確率』『図形の性質』が必須となります!
試験時間は数学ⅡBが70分になったのに対し、数学ⅠAは特に変更はありません!
問題作成方針
まずは、大学入試センターがどのような思考を受験生に求めているかを知る必要があります!
以下は、大学入試センターの問題作成方針です!
数学の問題発⾒・解決の過程を重視する。事象を数理的に捉え,数学の問題を⾒
令和7年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針
いだすこと,解決の⾒通しをもつこと,⽬的に応じて数,式,図,表,グラフなど
の数学的な表現を⽤いて処理すること,及び解決過程を振り返り,得られた結果を
意味づけたり,活⽤したり,統合的・発展的に考察したりすることなどを求める。
問題の作成に当たっては,数学における概念や原理を基に考察したり,数学のよ
さを認識できたりするような題材等を含め検討する。例えば,⽇常⽣活や社会の事
象など様々な事象を数理的に捉え,数学的に処理できる題材,教科書等では扱われ
ていない数学の定理等を既習の知識等を活⽤しながら導くことのできるような題材
が考えられる。
抜粋して大事なことを整理すると、以下のようになります!
- 〈受験生に求める能力〉
- 過程を重視する
- 数、式、図、表、グラフを目的別に使い分ける
- 〈出題内容〉
- 日常生活や社会の事象に関する問題
- 教科書で習っていない知識を、習った知識の応用によって補う問題
それぞれ、〈受験生に求める能力〉〈出題内容〉が書かれているので、
共通テストの試験までに一度把握しておくと良いでしょう!
作成方針をから読み取るに、単純な解法暗記ではなくなってきている印象です!
例題から見る対策2選
「過程を重視する」とか「数、式、図、表、グラフを目的別に使い分ける」って、確率ではどのように解けばいいの?
上でまとめた、〈受験生に求める能力〉のことだね!
それぞれ1つずつ紹介していくね!
過程を重視する
例えば、確率には様々な計算過程がありますが、次の解き方を意識してください!
確率=「問題に該当する場合の数」÷「全ての場合の数」
2024年大学入学共通テスト 数学Ⅰ・A 第3問(1)の(i)
上記は、今年の共通テストの問題を一部抜粋したものです!
例えば、上記の(i)の(ア)と(イ)を一緒に解いてみましょう!
解き方は主に2パターンあります。
\(\displaystyle\frac{1}{2}\)(1回目Aが出る確率)\(\displaystyle\times\frac{1}{2}\)(2回目Bが出る確率)\(\displaystyle+\frac{1}{2}\)(1回目Bが出る確率)\(\displaystyle\times\frac{1}{2}\)(2回目Aが出る確率)\(\displaystyle ={\color{red}{\frac{1}{2}}}\)
\(\displaystyle2\)((1回目 , 2回目)=(A , B)(B , A)となる場合の数)\(\displaystyle\div\)\(\displaystyle4\)((1回目 , 2回目)=(A , A)(A , B)(B , A)(B , B)となる全ての場合の数)\(\displaystyle ={\color{red}{\frac{1}{2}}}\)
要するに、「各々の確率を組み合わせる」方法と「分子と分母の場合の数を個々で計算する」方法があります。
私は後者をおすすめします!
2024年大学入学共通テスト 数学Ⅰ・A 第3問(1)の(ii)
先程の共通テストの続きの問題も見てみましょう!
黄色のマーカーにおける確率は、まさに「問題に該当する場合の数」÷「全ての場合の数」の形になっています!
- (ウ)→\(\displaystyle 3\)回の試行で\(\displaystyle A, B\)がそろっている取り出し方→「問題に該当する場合の数」
- \(\displaystyle 2^{3}\)→\(\displaystyle 3\)回の試行での\(\displaystyle A, B\)の出方→「全ての場合の数」
上の解き方は、ほぼ全ての確率の問題に対応できるので、是非意識してください!
数、式、図、表、グラフを目的別に使い分ける
「確率」のおおまかな解き方は理解できました!
ただ、それを構成する「場合の数」はどうやって解けば良いの?
それは書いてある通り、数、式、図、表、グラフ等を活用するんだよ!
いくつか紹介していくね!
図や表
2024年大学入学共通テスト 数学Ⅰ・A 第3問(1)の(ii)
先程と同じ問題を例として挙げると、上の表がまさしく解き方の一例です!
上の表によって、「\(\displaystyle 3\)通りある!」と分かります。
ちなみに、私はサイコロを振る問題において、(1回目,2回目)=(1,1)~(1,6) (2,1)~(2,6)と書き出して考えていました!
これは図としての解き方の一例です!
式
2024年大学入学共通テスト 数学Ⅰ・A 第3問(1)の(iii)
先程の問題の続きの問題を見てみましょう!
みなさんは、(エ)(オ)の場合の数をどのように求めますか?
私だったら、こう解きます。
\(\displaystyle2^{4}\)(全ての場合の数)\(\displaystyle -2\)(4回ともAあるいはBが出る場合)\(\displaystyle =14\)(問題に該当する場合の数)
ちなみに、上のような解き方を余事象と言います!
(1回目,2回目,3回目,4回目)=(A,A,A,A)(A,A,A,B)と考えても良いですが、かなり時間がかかります!
「1回目で2通り、2回目も2通り、そして最後にかけ算する!」など、
計算した方が圧倒的に早く正確な場合もあります!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「共通テスト数学」および「場合の数と確率」の対策では、以下の点に注意してください!
- 〈受験生に求める能力〉
- 過程を重視する
- →確率=「問題に該当する場合の数」÷「全ての場合の数」
- 数、式、図、表、グラフを目的別に使い分ける
- →主に図や表、式を使って確率を構成する場合の数を求める
また、教科書外の知識も必要とのことなので、
問題集を使ってアウトプットしまくって下さい!